「単純分子液体のガラス転移と局所秩序構造」
山室 修 氏

Nov 29, 2018


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 単純分子液体のガラス転移と局所秩序構造
講 師 : 山室 修 氏
      東京大学物性研究所 教授
日 時 : 平成30年11月29日 (木) 16:30~18:00
場 所 : 北海道大学理学部2号館4階 2-4-08
共 催 : 第253回エンレイソウの会、物理コロキウム
要 旨 :
ガラス転移は液体の粘度(あるいは緩和時間)が冷却に伴って有限温度で発散 的に増大するという極めて不思議な現象である。不規則系物理学の中心的課題と して長年研究されてきたが、その機構は未だ明らかにされていない。我々はこれ まで、できるだけ曖昧さがない議論をするため、できるだけ単純な分子液体にこ だわって研究を行ってきた。もちろん単純な分子は結晶化し易いため、低温蒸着 法などの独自の急冷法も開発した。実験手法は、最も正攻法とも言える熱容量測 定とX線・中性子線による構造解析である。高温でエントロピーが大きく独立に 運動している分子が、ガラス転移点に近づくとともに、急激にエントロピーを減 少させ、局所的な秩序構造を形成することが分かってきた。本講演では、ガラス 転移の何が面白いかを解説するとともに、我々のこれまでの研究成果の概要を紹 介したい。

世話人  野嵜 龍介
(nozaki@sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門


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