「電子ネマティック液晶の物理」
山瀬 博之 氏

Jul 25, 2019


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 電子ネマティック液晶の物理
講 師 : 山瀬 博之 氏
      物質・材料研究機構
日 時 : 令和元年7月25日 (木) 16:30~18:00
場 所 : 北海道大学理学部2号館2-211室
共 催 : 第261回エンレイソウの会
要 旨 :
ネマティック液晶は、系の方向対称性のみが破れた状態として特徴づけられる液晶である。 ところで、電子系においてもそのような対称性の破れた状態が存在し、電子ネマティック液晶と呼ばれている。 関連する電子の自由度に応じて、スピン、電荷、軌道のネマティック状態が理論的に知られている。 近年、この電子ネマティック液晶が、銅酸化物超伝導体、鉄系超伝導体、 ルテニウム酸化物、二次元電子ガス、量子スピン系で実現している可能性が指摘され、 活発な研究が行われている。本講演では、電子ネマティック液晶の物理を概観し、 最前線の研究の一端を紹介したい。
世話人  吉田 紘行
(hyoshida@sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門


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「相分離生物学」
白木 賢太郎 氏

Jul 18, 2019


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 相分離生物学
講 師 : 白木 賢太郎 氏
      筑波大学数理物質系
日 時 : 令和元年7月18日 (木) 10:30~12:00
場 所 : 北海道大学工学部アカデミックラウンジ3
共 催 : 第260回エンレイソウの会
要 旨 :
金属−絶縁体転移(MIT)は強相関電子系における最も劇的な現象の一つである。 細胞内にはなぜ高濃度の生体分子があるのだろうか? 何千種類もの化学反応 がある代謝の連続反応がなぜ働いているのか? シグナル伝達とはリン酸化に他 ならないが、リン酸化するとはどういう意味があるのか? さまざまな生物が危 険な疾患を引き起こす可能性のあるプリオンを持っているのはなぜか? 翻訳後 修飾のようなごくわずかな化学構造の変化がどのようにして高次の生命現象につ ながるのだろう? タンパク質は固有の構造を形成して働くというが、高次構造 を形成しないタンパク質は何をしているのだろう? 生物学にはまだ謎が多いが、 このような謎に答えることができる「相分離生物学」という新しい学問分野を紹 介したい。相分離生物学は、状態から見る生物学である。タンパク質や生体高分 子は液-液相分離しやすい性質があり、それが細胞内の機能と結びついて、生物 学的相分離と呼べる状態を作り出しているのである。今回のセミナーでは特に、 細胞内にある物理現象としての生物学的相分離について、討論の時間も少し長め に設けたい。 参考文献:『相分離生物学』白木賢太郎(著)東京化学同人 ISBN-13:978-4807909650
世話人  藤井 修治
(sfujii@eng.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院工学研究院応用物理学部門


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「擬1次元導体と金属−絶縁体転移」
上田 寛 氏

Jul 08, 2019


日本物理学会北海道支部講演会

講演題目: 擬1次元導体と金属−絶縁体転移
講 師 : 上田 寛 氏
      東京大学名誉教授
日 時 : 令和元年7月8日 (月) 16:30~18:00
場 所 : 北海道大学理学部5号館5-206室
共 催 : 新物質科学研究会、第259回エンレイソウの会
要 旨 :
金属−絶縁体転移(MIT)は強相関電子系における最も劇的な現象の一つである。 本講演では、豊田理研、物性研での研究から、以下の4つの擬1次元物質をとり あげ、様々なMITを紹介する。 Sr7Re4O19:ReO6八面体が頂点酸素共有で作る結合ジグザグ鎖からなる擬1次元 導体で、スピンシングレット形成を伴ったMIT(パイエルス転移?)を示す。 K2Cr8O16:CrO6八面体が稜共有で作るジグザグ鎖4本よりなるトンネル構造を持 ち、強磁性を維持したままMITを示す。混合原子価であるが絶縁体相で電荷分離 ・電荷秩序はなく、その特異なMIT機構についても触れる。 BaFe2S3:FeS4四面体よりなる2本足梯子物質で、反強磁性絶縁体であるが、加 圧により金属に転移し、同時に超伝導(TC=24K)を示す。 β-A0.33V2O5 (A=Li, Na, Ag, Ca, Sr):VO6, VO5多面体よりなる擬1次元構造 をもち、電荷秩序を伴ったMITを示す。A=Li, Na, Ag物質では加圧によりMITは抑 えられ、超伝導を示す。一方、A=Ca, Sr物質では様々な電荷密度波周期をもった 絶縁体相が現われる。
世話人  吉田 紘行
(hyoshida@sci.hokudai.ac.jp)
北海道大学大学院理学研究院物理学部門


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